インテリジェンス 武器なき戦争

手嶋龍一、佐藤優『インテリジェンス　武器なき戦争』、幻冬舎新書、2006

元NHKの手嶋龍一と「ラスプーチン」佐藤優のインテリジェンスについての対談。強者同士の対談だけに、細かいところにいろんな芸や情報が仕込んである。大韓航空機撃墜事件での情報提供の裏話、テロ計画摘発での英情報機関の動き、日本のインテリジェンス能力への評価など類書にない話が数多くのっている。以前手嶋の「ウルトラダラー」について内容に疑問をもっていたが、これを読むと細部にいたるまで非常に厳密に詰めて書かれているということがよくわかった。自分の思い込みで判断してはいけないということのよい反省材料にもなった。小著ではあるが有益でかつおもしろい本。