ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば

「ひばり・チエミ・いづみ 三人よれば」、美空ひばり江利チエミ雪村いづみ主演、杉江敏男監督、東宝、1964

ひばり、チエミ、いづみの三人は女学校の仲良し同窓生だったが、昔の恩師を訪ねていくと恩師は見合いおばさんになっていて、三人は結婚をせっつかれ・・・という恋愛コメディー。じつは美空ひばりの映画はあまりみておらず、この三人が共演している映画がシリーズで製作されていて、これがこのシリーズの最終作(最後に三人が結婚、婚約発表するところでおしまい)だということも知らなかった。これまでのシリーズ作を全然見ていなかった人が見ると、三人の関係や職業がほとんど説明されずに話が運ぶのでちょっと面食らう。出来からいえば、お話はあまりおもしろくない。しかし歌やレビューの部分(特に男装して出てくるレビューのところ)はけっこうたのしめる。おそらくシリーズの過去作品や三人の歌をいろいろ知っていないとおもしろさがいまいちわからないのだと思う。美空ひばりは、この年からあまり映画に出なくなっていて(前年は8本公開されているのに、この1964年から年に1,2本程度になる)、ひばりや三人娘の映画を見慣れてきた人たちにとっては、ひとつの区切りとして感慨深いものがあったのだろう。