鷲の驕り

服部真澄『鷲の驕り』、祥伝社、1996

ダイアモンドに関する秘密の特許をめぐって、日米の政府、企業、マフィア、ハッカーらが入り乱れるというサスペンスもののお話。特許の何がどういう理由で秘密になっているのか、特許の所有者はどういう人物なのか、といったあたりが謎の中心になっていて、そのあたりの話の設定はうまいと思う。登場人物も多いが、キャラクターの設定ははっきりしているので、それほど区別に困ったりせずにさくさく読める。で、肝心の結末だが、これはあまりにご都合主義がすぎるんじゃないの?まあ読んでいるほうは、これくらいの終わり方が気持ちいいと思っているのかもしれないが、そうだとしたら読者もなめられたものだと思う。まあそこそこにはおもしろいけど、突き抜けておもしろいとはいえないという本。それにしてもなぜこの本を買う気になったのか、そこがどうしても思い出せない・・・。