バロン

「バロン」、ジョン・ネビル、サラ・ポリー主演、テリー・ギリアム監督、アメリカ=イギリス=西ドイツ、1988

テリー・ギリアム監督の「ほら男爵の冒険」の映画バージョン。ジョン・ネビルはうまい。他の役者も達者ぞろい。なにげにロビン・ウィリアムズやデビューしたてのユマ・サーマンが出ている。しかしやっぱり見所はテリー・ギリアムの画面づくり。18世紀後半というドイツの町、コンスタンチノープル、旅芸人の一座やトルコのスルタン、兵隊たちの衣装、気球、全部の美術がこの世のもののようで、そうでないような。全部CGじゃない実物感がいっぱいで、こういう映画はもうつくられないだろう。「未来世紀ブラジル」の三年後、テリー・ギリアム絶頂期の一作。こういうのをひっそりとやっているから、CSの洋画チャンネルはあなどれない。