アメリカ居すわり一人旅

群ようこアメリカ居すわり一人旅』、角川文庫、1991

群ようこの紀行文。著者が二十歳の時のお話なので、だいたい1974年頃のことになる。しかしこの頃で「アメリカにいけば何かきっとおもしろいことがあるはず」という信念で、ろくに英語ができない人がバイト代を貯めてアメリカにいくという発想が新鮮。まあニューヨークのおばを尋ねていくのだから何もあてのない「何でも見てやろう」とは違うが。
しかし無計画なりにそれなりにおもしろいことがたくさん起こり、ちゃんとしたお話になってるところは、さすが群ようこ
何よりいいのは昔の思い出にひたるようなウェットなところがぜんぜんないこと。最後のオチもいい。群ようこテイスト満喫の一冊。