神様のパズル

機本伸司『神様のパズル』、ハルキ文庫、2006

飛び級で大学の物理学科に入学した16歳の天才少女と、就職も決まらず卒業も危ないダメダメ学生の主人公が、「無から宇宙をつくる」という課題でチームを組むことになり・・・という設定のSF。話の核にある宇宙論の部分はある程度宇宙論や物理のことがわかってないとダメなので、理系の人やハードSFファンでないとついていけない。しかし、小説としてそれなりによくできていて、主人公や天才少女のキャラはよく立っているし、小さな田んぼを営む婆さん、物理の謎に悩んでいる聴講生の爺さんなどの伏線キャラも、話によくはまっている。学園もののミステリーとして読むこともできるので(表紙はもろにアニメ絵)、そういう入り方もあり。