逃亡くそたわけ

絲山秋子『逃亡くそたわけ』、中央公論新社、2005

博多の精神病院に入院している主人公、花ちゃんは、同じ病棟の名古屋出身なのに標準語しかしゃべらない「なごやん」を誘って病院を脱走、なごやんの車であてどもなく九州をさまようのでした、という話。別にたいした話の起伏もなく、淡々と二人がいろんなところを回るのだが、読んでてとても気持ちいい。花ちゃんの博多弁もとてもいい。それにしても、九州を博多から鹿児島まで車でいくと900キロもあるとは知らなかった。九州は広いね。一回車でいってみたいなあ。

著者のブログを見るとこれも近々映画になるらしい。ロードムービー向きの素材だもんね。花ちゃんは誰がやるのかな。年からして、また寺島しのぶというわけにはいかないか。ほんとはそのほうがいいんだけど。下手な女優でなければいいなあ。