やわらかい生活

やわらかい生活」、寺島しのぶ豊川悦司主演、廣木隆一監督、「やわらかい生活」製作委員会、2006

寺島しのぶが、躁うつ病で仕事をリタイヤし、両親の生命保険金で食べているお姉さんの役。それに従兄(豊川悦司)、元同級生の都議候補(松岡俊介)、出会い系サイトで見つけた品のいい痴漢(田口トモロヲ)、メンヘル系サイトつながりのうつ病ヤクザ(妻夫木聡)といった人々とからむというお話。寺島しのぶイカレた役にはまりまくり。刺青を入れてるからという理由で、いつもバスタオルをまいて銭湯に入っているが、そんなのありか?しかしこの銭湯の雰囲気はなんともいえずいい。銭湯の隣にある蒲田の安アパートに住んでいる設定だが、そういう細かいところもよく撮れている。タイヤ公園や飲み屋、屋上の観覧車といったアイテムのひとつひとつが、はまるべきところによくはまっている。それとトヨエツの博多弁は非常にいい。出てくるキャラはみんなダメ人間で、それらが最後までダメダメなところがいい余韻になっている。無造作なようでよく見るときちんと作りこまれている出来のいい細工物という感じ。