泥沼ウォーカー

笹野みちる『泥沼ウォーカー』、PARCO出版、1998

ミュージシャンの著者がうつ病で泥沼にはまった状態でのエッセイと京都の紀行エッセイをあわせた本。自分について語っている部分は明るくはないけど、決して読みにくくはない。「超人計画」とは、その点おおちがい。まあ著者はうつ病だけど、ひきこもりというわけではないし。
京都の紀行エッセイの部分は長く住んでいた人だから書ける文章で、かなり魅力的。しかしレンタサイクルで、三条京阪から曼殊院までいって、吉田神社と黒谷(あそこも相当きつい坂だけど)を廻って帰ってくるのはかなりたいへんだと思うが…。載せられている写真やイラストもかわいくてよい。
読んでから、ネットで著者のことを検索してみたら、うつ状態からは回復して元気で働き、音楽活動もしておられるとのこと。なによりです。