北京大学 超エリートたちの日本論

工藤俊一『北京大学 超エリートたちの日本論』、講談社+α新書、2003

北京大学の日本語学科で日本語教育を担当していた著者の中国滞在記。二年間の見聞で、相手は日本語学科の学生だけということを割り引いても、中国人学生のレポートがそのまま載せられているので、その部分はおもしろく読める。それにしてもいまどき「倭寇」の話を持ち出すとかいった話には驚く。韓国では今でも文禄、慶長の役の話が持ち出されることは知っていたが、中国でもそういうことはあったという話。また中国の反日教育の内容はやはり相当なもので、これでは小さい子供が「日本鬼子」と平然と口走るのも当然だろう。それにしても、中国での反日教育の内容について、体系的に紹介する書物はないのだろうか。