ないものねだり

中谷美紀『ないものねだり』、マガジンハウス、2006

著者の初エッセイ集とのこと。それにしてもものすごく男っぽい感じの文章を書く人だなー、と感心する。というか性格が男らしいのかな。伝わってくるのは女優の仕事の大変さ。七化け八化けの仕事だから、当然かもしれないが、やせてみたり太ってみたり、著者の役作りへの集中はたいへんなもの。檀ふみとかのエッセイのような「芸」はぜんぜんないが、中谷美紀の刺身という感じで、彼女自身が好きな人にとっては楽しめる本。ねちねちしたようなところがかけらもないところがいい。