NHKにようこそ

滝本竜彦NHKにようこそ』、角川文庫、2005

ひきこもりによるひきこもりの小説。なんというか非常に微妙な感じ。おもしろいのかというとそんなにおもしろくはない。つまらないかというと一息で読めてそれほど退屈はしなかったので、つまらないとは思わない。著者の感覚とは少し合うものを感じる。何より読んでいて心地いい。これはありがたい。この本のハードカバー版は2001年の暮れに出ているが、文庫版あとがきによると著者はその後も一冊も小説は書かずにひきこもっているという。そういうところもいい。特攻は結局不発に終わるんだよね。そういうもんでしょう。