国民国家はどう変わるか

梶田孝道、小倉充夫編『国民国家はどう変わるか』、東京大学出版会、2002

シリーズ「国際社会」の第3巻、表題の通り国民国家の変化の諸相を扱う。論文集なので、内容が玉石混交なのはしかたないか。中では、大庭千恵子「民族の定義と国際関係」がわりとおもしろかった。マケドニア民族、マケドニア国家の歴史的変遷についての話。それと小井土彰宏「NAFTA圏と国民国家バウンダリー」もまあおもしろく読めた。NAFTA社会学的な意味づけの話。あとは編者の梶田孝道「地域の統合と民族の分離」は概念の整理に役に立つ。ほかの章はあんまりおもしろくない。特に日本のことを暑かった章はもうちょっとひねりがないとねぇ。