忍びの者

「忍びの者」、市川雷蔵主演、山本薩夫監督、大映、1962

市川雷蔵の忍者もの8本シリーズの一作目。石川五右衛門(市川)が伊賀の下忍として使いまわしに会う悲哀のおはなし。伊賀忍者頭目百地三太夫伊藤雄之助)がもう一方の頭目、藤林長門守と同一人物で、二つの忍者集団をあやつって支配していた、という設定はおもしろい。伊藤雄之助は怪演。その妻で石川五右衛門と密通し、百地の道具として操られるのが岸田今日子。非常にエロい。後は敵の織田信長をやっている若山富三郎(城健三郎)がこれも怪しいし、遊女で五右衛門の子をはらむ藤村志保がカワイイ。話はまあまあだけど、みなキャラが立っていてけっこう楽しめる。