首都消失

首都消失」、渡瀬恒彦名取裕子主演、舛田利雄監督、東宝、1987

小松左京原作もの映画シリーズが日本映画専門チャンネルでかかっているので、その二本目ということで見てしまった。突然東京周辺を謎の雲状の物質が覆い、東京と外との連絡が一切取れなくなるというおはなし。結論からいうと、時間を損した。「エスパイ」がキッチュなりにたのしめるのに、こちらのほうはさっぱりおもしろくない。首都が消えたという設定で、しかも消えた首都がどうなったのかを描かないのだから、東京を失った日本がどうなるのかを描かないといけないと思うが、その部分がいいかげんに片付けられていて、単に首都との連絡を回復するために人々が右往左往する姿しか描かれていない。アメリカやソ連が介入しようとするエピソードも膨らませればいろいろおもしろくなるのに中途半端。
渡瀬恒彦名取裕子も家族のことしか考えてなくて、キャラに精彩がない。チープさがつまらない方向でまとまってしまっていて、話が小さくなってしまっている。
原作が悪いのか?脚本が悪いのか?小松左京ものはスベっている映画が多いという話だったが、これもその一本か。