学校の戦後史

木村元『学校の戦後史』岩波新書、2015


学校の「戦後史」となっているが、戦前期の学校制度の成立以後の事情にも触れられているので、日本における学校の歴史と社会、みたいな本になっている。

統計が多く出ており、これは非常にありがたい。学校制度は明治期に成立していたにしても、実際にそれが機能するまでには長い時間がかかったこと、学校の定着は都市化によって確立されたことがよくわかる。

戦後の学校史は、教職員組合、家庭、学校の三者の対抗関係。これもややこしい。薄いボリュームでまとめてあるのと、参考文献リストがきちんとしているので、安心して読める。ざっとした理解にはこれで十分。