アイアンクロス ヒトラー親衛隊《SS》装甲師団

「アイアンクロス ヒトラー親衛隊《SS》装甲師団」、レオーネ・フリーザほか出演、アレッサンドロ・ペペ監督、イタリア、2016


このタイトル、原題はLeibstandarte: mi honor se ilama lialtadという。「ライブシュダンダルテ:わが名誉は忠誠」ということ。「アイアンクロス」とか、そういうまぎらわしい邦題はなしだと思う。

内容は、ライプシュダンダルテ・アドルフ・ヒトラー師団の1943年以後の戦争を、所属の伍長の目から描くというもの。東部戦線から西部戦線に転戦するが、戦況は悪くなる一方。伍長も、ゲシュタポの民間人殺害を見たり、戦友から絶滅収容所の話を聞いたりして、だんだん戦う目的を信じられなくなってくる。

ドイツ軍内部、特に武装SS部隊の話ではあるけど、なるべくていねいに人を描こうとしている。米軍の捕虜虐殺も容赦なく出しており、今どきの戦争映画っぽい。しかし、逆にストーリー部分は薄く、起伏がないし、戦闘シーンもあまり作り込まれていない。主張が先行しちゃって、映画としての出来はいまいち。もったいないわ。