秘密の国家 北朝鮮の内側

「秘密の国家 北朝鮮の内側」CNN、2017.9.16


CNNの北朝鮮特集。土曜日の11時から放送していた。平壌だけでなく、郊外の農村や白頭山にも行っている。

レポーターは北朝鮮に13回行ったというCNNのウィル・リプリー。テレビ取材なので、美しくないものは見せていないだろうが、それでも以前より建物や人の服装がきれいになっているのは事実。

平壌の小学校には、大きな筐体のゲーム機があった。画面の「アメリカ兵」を銃で撃つというもの。この小学校、ゲーセンがある。日本のデパートの屋上遊園地くらいのもの。子供のつけているバッジは、金日成金正日の2つ。

海水浴場にも行っている。元山。海辺で遊んでいる若い客は、NBAのシャツを着ているが、アメリカ由来とは知らず、インタビュアーがアメリカ人とわかるとさっさと消えた。ここには子供キャンプというものがあるが、こっちで言うキャンプ場ではなく、子供用合宿施設。小学生かと思っていたが、14歳。北朝鮮の子供は年齢相応には見えない。食事は山盛りで、子供はみなうれしそう。

元山では、みんなが岸壁で釣り。食料用だろうが、人が多すぎ。インタビューされているおじさんの服はまあまとも。町の人々の服も、古いものもあるが、それなりにカラフル。しかし、夜になると宿舎の電気はつかない。ここの建物はそこそこにボロい。

板門店には土産物屋があった。これはけっこうきれい。一番売れるのは絵葉書。写真ではなく、プロパガンダ絵葉書。ガイドは中佐だが、軍人は皆金日成金正日の二人がはいったバッジをつけている。形も昔のものとは違う。

開城では、またおじさんのインタビュー。まあ普通の服。平壌空港に移ると、デニス・ロドマンがやってきたところで、インタビューではニコニコしている。またこれと入れ違いで、北朝鮮に抑留されていて、アメリカに帰国直後に死亡した学生の出国があった。ということは撮影は6月。

開城と平壌の中間にある農村にも行っている。農薬散布をしているおばちゃんは「アメリカに行ってみたい」と破天荒なことを言っている。リプリーもそんなことを言う朝鮮人は初めて見たと言っているが、「行ってアメリカを破壊したい」とのこと。

農村のおじさんの家には、テレビ、DVDプレイヤー、薄型テレビ(小型)、金日成金正日の肖像、金正日が訪問したときの記念写真があった。おじさんのバッジは、金日成だけのバッジ。しかし昔のものとは色違い。

マスゲームやダンスの練習をする市民、軍人、子供。人数多い。平壌ではヘリコプターで遊覧飛行もしている。建物がカラフルに塗られている。これも以前はなかった。

デパートの中を撮影していたが、家電、食料、服はちゃんとあった。最上階には食堂もあり、マクドナルドと似た配色のパッケージで、フライドポテトとミルクシェイクが出た。

終わりは白頭山観光。これは飛行機と車だが、昔の宮殿っぽく作った施設とペンキ絵っぽい絵には「高句麗」という漢字が旗に書いてあった。白頭山近くの農村の家はボロかったが、人々の服はきれいとはいかないが、それほどひどくはない。

白頭山密営のログハウスでは、バッチリ化粧した制服の女性案内員が出てきた。ここの人達のバッジは板門店の将校のものと同じ、金日成金正日バッジ。

かなり盛りだくさんな内容で、北朝鮮当局がCNNに相当配慮したことがわかる。おもしろかった。