1984年(1984年映画版)

1984年」、ジョン・ハートリチャード・バートン、スザンナ・ハミルトンほか出演、マイケル・ラドフォード監督、イギリス、1984


これはひさびさに見返した。あまり印象がよかったわけではないが、今見ても微妙。そういえば、これは封切り時に見たような。

かっこいいのは、オセアニア国歌。これは本を読んでもわからないところなので、この映画の作曲家の功績。

ウィンストン役のジョン・ハートは、ちょっと年が行き過ぎているような気もするが、雰囲気はウィンストンに合っている。リチャード・バートンのオブライエン、ジュリアのスザンナ・ハミルトンもよい。リチャード・バートンはこれが遺作。

俳優はいいと思うが、なかなか映画にはなりづらい作品。オセアニアの雰囲気は、いいとして、ウィンストンの心の中を描くのは映画には不向き。ただ、工夫はしている。一番むずかしい、真理省の中は、ときに、晴れた野原の風景になる(たぶん、ウィンストンが見ている幻)のがいい。しかし、裏切ったジュリアとの再会とか、最後の栗の木喫茶店の場面とか、内心の情景を映像にして客にわからせるのは無理。

この映画はいいとして、ロリン・マゼール作曲のオペラというものがある。DVD出ているのだが、見ないほうがいいような。しかしコワイもの見たさで買ってしまうような気もする。