愛は技術

川崎貴子『愛は技術~何度失敗しても女は幸せになれる~』KKベストセラーズ、2016


川崎貴子の仕事本がおもしろかったので、こっち、つまり恋愛結婚本も読んでみた。これも非常におもしろい。

著者が、バツイチ、2人の子持ち(1人は前夫との、1人は現在の夫との子供。前夫はすでに死亡)という人なので、いろいろと人生のめんどうくさいことは経験済み。よって、言っていることに非常に説得力がある。

何より、この「愛は技術」というタイトルに説得力がある。そのとおりで、人間関係は、相当部分は技術であり、マニュアル化できるもの。マニュアルにできないことは、とっさの動作、反応だけ。あとはよく考えて行動すればどうにかなるようなもの。

著者は、エーリヒ・フロムの「愛するということ」に非常に影響を受けたと言っているが、「愛は技術であり、才能ではない」というのはフロムの言っていること。フロム、くだらないと思っていたが、いいことも言っているのだ。

著者のご意見は、「さっさと結婚しろ、相手にあまり条件を求めるな、相手を褒めて伸ばせ」ということ。まあ、たしかにそうだ。で、相手を支配しようとする男はやめとけ、こじらせ女子に気をつけろ、相手を許せ、というのが続く。いちいちごもっとも。

これができていれば、いろいろと人生違う人もいるだろうが、なかなか自分ではなんともできないことが多い。本を読んで学べるような人は、世の中、そんなにいないのだ。だから占いとか、人生相談とか、そっちの方に行く人が多いと思うが、その結果はわからない。