都営バス AtoZ A 品川

PLせつな、立木将人『都営バス A to Z 』 vol.1 A 品川、都営バス資料館、2015


都営バスの同人誌。この本、同人誌といっても、「薄い本」ではなく、212ページもあって、ちゃんと一冊で立つ。内容は、2010年に発行された、『都営バス A to Z』の準備号を、写真と内容を新しくして出し直したもの。

しかし、この本、情報量がものすごく、品川営業所と廃止された芝浦営業所管内の全部の系統とかつて路線があった系統を、区間、始発と終発の時間、本数と運転間隔、本数の変遷、歴史を最初にまとめる。その後に路線概要、歴史、車両、派生する系統などについての文章が続く。

参考資料を見ると、東京都交通局の資料と昔の同人誌をもとにして作っているのだが、これだけの内容をまとめる作業は膨大で、実際に乗らないと書けない部分も多数。方向幕が全部載っている写真とか、いつから集めているのか、本当におそろしい。

あとがきで、このシリーズは「法学部でいう基本書にあたるもの」と書かれているが、これが都バスの全部の営業所について作られたら(当然そのような計画になっているが)、確かに基本書だ。というか、この作業以上のことができるのか?都バスは路線が集中しているから、都内や近郊に住んでいればできるだろうが、それでも気の遠くなるような作業量。

装丁は本当にきれいで、表紙の青砥行きの都営線と品93の品川駅─大井競馬場が並んで写っている写真も、いいショット。裏表紙は、ちょっと古い(しかしバスの色は現行のもの)写真で、市01と東90。これもいい写真。

全部で15巻出す予定ということなので、全部買わざるを得ない。