海を感じる時

「海を感じる時」、市川由衣池松壮亮ほか出演、安藤尋監督、「海を感じる時」製作委員会、2014


これはたまたま流れで見てしまった映画。原作は読んでない。こういう話だったのね。どうという話ではなく、高校生の女の子がいきなりキスさせてと男に言われて、サクサク関係を持つのだが、男はまるっきりつれないまま。女の子は、男にハマりまくっていて、親(母子家庭)からはギャーギャー怒られ、結局東京に出奔して、同棲。

しかし女の子はだんだん冷めていき、居酒屋の客といきずりでセックス。それを男に話すと、男はこの時点で逆に女の子にハマってしまっていて、ガンガン暴力を振るわれるので、それで別れましたというもの。

女の子を市川由衣がやっていて、高校生の格好が可愛い。同棲した後でだんだん目がコワくなっていくのもよし。この人、戸次重幸のヨメで、もう30歳なのだ。しかし高校生で十分通じる。非常にいい女。はっきりいって、かなりウザい女なのだが、それを含めていい。ベッドシーンは、もうちょっとがんばってほしかったが、高校生設定であまりいろいろ元気になられても困るし。

相手は池松壮亮なので、この人もダメ男に適した俳優。初めの方の、女の子を相手にしていないところとか、ラスト近くにいきなりDV男になるとか、どこも役にはまっている。

女の子の母親(これもダメ女)やら、男の姉(これもダメな感じ)やら、ダメ人間勢揃いみたいな感じで、ドロドロに暗い雰囲気が画面に滲み出している。最後に女の子が海辺に立っている場面のみさわやか。

中沢けいって、1978年に出版されたこれがデビュー作。まだ70年代だったから、これは十分インパクトがあっただろう。いまは市川由衣がなかったら、だからどうなので終わりだが…。