ドキュメント72時間 村長選挙 旅する投票箱

ドキュメント72時間」、「村長選挙 旅する投票箱」


福島県飯舘村の村長選挙。全村避難だが、村役場はあるし、選挙も当然ある。投票のために村に戻ってくれというわけにはいかないので、期日前投票のために、避難所を投票箱が回る。

飯館村は2017年3月で、避難解除になる予定なのだが、それが選挙の争点。現職は帰村支持で、新人は帰村反対。震災から5年経っているので、みなさん仮設住宅暮らしも長いのだ。

しいたけやらキノコは、放射線の関係で、食べられないことになっているが、実際には自家用にとってきて食べている。たくさんじゃなければ影響ないというもっともな意見。みんな老人だし。

若い人はいないのかと思いきや、わざわざ投票のために仙台から来たという女性が。まめすぎる。時間がきたら、投票箱は施錠して役場に保管。

一番村民が多いのは、福島市。ここに村民の半分がいる。帰村賛成の人が多いが、反対の人もいる。除染が終わっているのは、村全体の四分の一しかないので、この状態では帰れないという人もいる。特に子供のいる人。とはいえ、このままでは村がなくなるから帰れるうちに帰るべきというのが帰村賛成の人の主張。

投票最終日は飯舘村役場が投票所になり、村民は車でやってくる。別々の場所に避難生活を送っている家族もこの日は集まっている。嫁がフィリピン人というおじさんは、畑仕事をするのみ。

投票率70.84%、これでも過去最低。結局581票差で、現職の勝ち。帰村してもずっと大変だ。