ふしぎな国道

佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社現代新書、2014


鉄道、車、飛行機のファン本は多いけど、船のファンはそれに比べると少ない・・・などと思っていたら、こんな本があった。道路ファンの本。著者はサイエンス・ライター、国道マニア歴17年。この本は、月刊『道路』の連載を書籍化したもの。

道路ファンって、何なの、と思ったが、この本の章立ては、「国道の名所」、「酷道趣味」、「国道の歴史」、「国道完走」、「レコードホルダーの国道」、「国道標識」、「都道府県道」、「旧道を歩く」となっている。豆知識を集めるだけだったら、座っていてもなんとかなるのかもしれないが、著者は、この本で紹介している道路を実走している。国道標識(ファンは、「おにぎり」という)の写真がやたらたくさん載っていて、行ってみないと書けない本。

それも漫然と車で走っているのではダメで、国道は区間によって重複しているところがあるので、どこに「おにぎり」があるのか、ずっと目を光らせていないと、道路ファンはできない。

鉄道乗りつぶしもたいへんだが、道路乗りつぶしもそれに劣らずたいへん。国道は全部車で通れるとは限らないのだ。時間をひたすら投入しないとできない趣味。