大アマゾン 黄金を求める男たち

NHKスペシャル 大アマゾン 最後の秘境」#2 「黄金を求める男たち」、NHK総合、2016.5.8


これはとんでもない番組。アマゾンの奥地にある闇の金鉱山のドキュメンタリー。

アマゾンの奥地、近い町から船で5日も上流に遡ったところにある金鉱山。鉱山といっても、権利も何もなく、金があるところを高圧水流で崩して、土砂を流して金を採っているだけ。いるのは、とにかくカネを稼ぎたい者だけ。

採取した金の7割は鉱山所有者、3割がガリンペイロという鉱夫の取り分。何も出なければカネは出ない。ガリンペイロは、殺人とか麻薬とか、いろいろな前歴のある者たち。警察も役所もないので、ここの秩序だけしかない。

夜明けから日暮れまで労働。仕事に関係なく取り分は同じだが、使えないと判断されると即クビ。

取り分は取れ高次第だが、人生が変わるような大当たりは10年か20年に一度しかない。大当たりが出るまで、この密林の奥地で鉱山労働。生まれてからずっと金鉱山にいる者もいる。両親は死んでいて、家族といえばシロアリの巣だと言っている。

仲間同士の諍いもあり、1年で2人死んだ。銃を持っているので、危ない。

この鉱山、出そうなところを鉱夫が適当に掘っているだけで、どうやってあたりをつけているのかわからない。それは鉱山主しか知らないらしい。

日曜日は休みだが、朝から酒を飲んで、たまに巡回してくる女と寝るくらいしかない。食料も現地調達で、ワナにかかった動物を潰して食べている。

日本などとは違い、本当のブラックな職場。ブラックもなにも、一生金鉱山にいる者にとっては、ここしかない。