セーラー服と機関銃 -卒業-

セーラー服と機関銃 -卒業-」、橋本環奈、長谷川博己ほか出演、前田弘二監督、「セーラー服と機関銃 -卒業-」製作委員会、2016


3月5日に公開され、興行的に大コケしたことで話題になっている映画。それでも見た。結果としては、これは見て損はしない。

このネタでは、薬師丸ひろ子の最初の映画、原田知世長澤まさみのテレビドラマがあるが、全部見ていない。この映画を見るためには問題なし。

星泉=橋本環奈は、子分3人の「目高組」の組長。もともと目高組の親分だった叔父が抗争で死んでしまい、血縁者が姪しかいなかったので組長になる。しかし、この映画が始まった時点では、組は解散し、「めだかカフェ」を4人でやっている。

敵対する組の浜口組がモデル事務所を使って詐欺をやっていると聞きつけて、文句をつけに行くが、本当の首謀者は都市開発から、医療まで何でもやっている巨大企業「ホリウチ」。

ホリウチの責任者、安井=安藤政信は、浜口組を脅して手下にしてしまい、市長をロボットにし、警察も抱き込み、市民もホリウチの味方で、「めだかカフェ」に暴力団反対運動で押しかけてくる。周囲は全部敵。

この状況で、星泉は、浜口組の若頭で、ホリウチの手先になることを認めない月永=長谷川博己と、残った子分で、ホリウチの権力に挑戦するというおはなし。

暴力シーンは、アイドル映画でやれる範囲ギリギリまでやっている。銃は撃ちまくり、敵の殺し屋はナイフでガンガン切ってくる。

脇役は、武田鉄矢以下、ちゃんと上手な人を揃えているので、問題ない。特に敵組織のボスの安藤政信がよし。長谷川博己もよい。

肝心の橋本環奈だが、これがいい。映画出演3作目だというが、ちゃんとヤクザの親分になっている。声が低いのも、この映画の役に合っている。目が鋭いし、演技もできている。超絶かわいい容姿で、親分としての格ができている。

主題曲は、薬師丸ひろ子のものは聞いているのだが、こっちはこっちでアレンジがちゃんとしていて、これはアリ。いきなり卒業式で、歌い出す演出も決まっている。

たけし映画以後のやくざ映画の文法を踏まえて、アイドル映画としてもできている。映画館に行ってカネを払う価値のある映画。


大コケという評判通り、今週で上映は終わり。一日1回の上映しかなく、客も10人くらい。しかしこの映画はいいし、橋本環奈はひとかどの女優になる。なんで客が入らないかなあ。