火宅の人(1986)

「火宅の人」、緒形拳いしだあゆみ原田美枝子松坂慶子ほか出演、深作欣二監督、東映、1986


どうもこれは一度見たような気がすると思って見ていたら、やっぱり前に見ていた。まあいいわ。

とにかく緒形拳がむちゃくちゃやりまくる映画。奥さんのヨリ子がいしだあゆみ、愛人が原田美枝子、旅先でできた恋人が松坂慶子緒形拳はもういい年で、子供が5人いて、1人は日本脳炎にやられてバカになってしまう。そんなこんなで、いしだあゆみは、疲れ果てて宗教にハマったりしている。

緒形拳いしだあゆみを助けて、なんてことはあるわけがなく、役者志望の原田美枝子とデキてしまう。あろうことかそれをいしだあゆみにペラペラしゃべる。怒って出て行くいしだあゆみ緒形拳は、子供は家政婦まかせにして、自分はホテル生活で原田美枝子とやりまくる。

しかし原田美枝子が妊娠しても、緒形拳はぜんぜん面倒などみない。原田美枝子も怒りだし、緒形拳はフラフラと原稿書きと称して旅行に出てしまう。それで旅先で松坂慶子とデキちゃう。松坂慶子が、結婚するからさようならと言ってくると、しゃあしゃあと自宅に戻り、子供の面倒を見るために戻っているいしだあゆみとまた元の生活を続けるのだ。

緒形拳は罪悪感など皆無で、テキトーにやりたいことをやるだけ。周りの女のストレスは溜まるばかりだが、ぜんぜん気にしてない。これだけやれたら大したものだといえないこともない。

檀一雄の実の娘の檀ふみが、緒形拳の母親(こっちも男と浮気して家を出て行く、相当なお方)を演じているし、スタッフロールには息子(檀ふみの兄)の檀太郎の名前がある。子供たちにしてみれば、とうに亡くなったお父さんだが、子供も家がこれではたいへんだ。