ガールズ&パンツァー劇場版

ガールズ&パンツァー劇場版」、水島努監督、2015


この映画、実は2回見た。公開後もう1ヶ月もたっていて、24時からの深夜上映。それでも3分の1くらいは客席が埋まっている。驚異的。しかし、これは驚くべきことではなくて、それだけ映画の出来がいいのだ。

これまでTV版で出てきた敵チームが全部大洗チームに加わって、新しい敵の大学生チームと戦う設定。あっち側は、センチュリオン、パーシング、チャーフィー、T-28に加えて、「カール」なんてものが出てくる。反則だ。

どこがおもしろいかというと、戦車のありえない機動。急斜面でも、ジェットコースターのレールの上でもどこでも走る。特に迷路の中の機動はスピード感すごい。実車はそんなに走れないし、あれは履帯が外れるだろう。しかしそんなことはおかまいなし。水の上をぴょんぴょんスキップしたりもする。

この映画は、戦車映画の歴史に間違いなく残るだろう。ありえない動きをしているのに、リアルなきしみや車体の挙動、それから音。実写映画でしか見られなかったものが目の前で見せられているので、リアルなものと信じないわけにはいかない。これは外国の戦車マニアには思いつかない世界。だいたい女子高生は戦車乗らないしね。しかし、これは必ず外国でもマニア受けするだろう。

2回見ても、まったく退屈することがない。たぶんもう1回は必ず見に行くし、円盤が出たら買う。細かいところが描き込まれていて、劇場で見ただけでは追いつかないのだ。しかし家で見たのでは、よほど高いホームシアターのシステムを持っている人以外は、あの音と画面の迫力を味わうことはできないだろう。

ある意味奇跡のような作品。日本映画は、「バルジ大作戦」を超えたわw