新・映像の世紀 第1集 百年の悲劇はここから始まった

新・映像の世紀」「第1集 百年の悲劇はここから始まった」、NHK総合、2015.10.25


映像の世紀」の新しいシリーズ。第1回は第一次世界大戦。最初のムービーカメラは手回し式。6回シリーズ。月イチ放送。

戦争前の映像は、ピカソ、シャネル、ライト兄弟。それからウェルズの不吉な予言。

サラエボでの皇太子暗殺と皇太子の葬儀。カイザーの演説もあり。カイザー、演説できるんじゃん。

機関銃でなぎ倒される兵。機関銃に対する防衛戦法が塹壕だと言っているが、まあそれもあるけど、大砲じゃね?飛行機から撮影した塹壕の映像で、塹壕の設計がよくわかる。

ドイツ東洋艦隊の出港と日本の青島占領もあり。死体にはハエがたかっていて、そのまま塹壕に埋めている。オットー・ディクスも出た。ドイツの戦争画家。これは戦後に描いているわけだが。

ハーバー博士夫妻と、ノーベル賞授賞式。ハーバーは、化学兵器開発もやっていた人。夫妻はこのことでもめていた。奥さんは自殺。ハーバーの開発した殺虫剤からツィクロンBができたので、それも映っている。しかし、ナチスのことをハーバーのせいにされても困るけどね。

塹壕だけでなく、全地下式の地下壕も映っている。これで下から敵陣を吹っ飛ばせというもの。簡単にはいかないが、人はたくさん死んでいる。

フォン・リヒトホーフェンも出てくる。飛行機だけ赤で彩色。どうせなら、全部塗ってほしい。リヒトホーフェン、かっこいいけどね。受勲の様子も映っている。飛行機や飛行船の製造工場が出てくる。こっちは、女性ばかり。鉄道や炭鉱の作業、輸送にも活躍。

イギリスの対オスマン工作。カイザーとメフメト5世の会見あり。コンスタンティノープルも映りまくっている。ロレンスとファイサルが登場。ファイサルの反乱軍やらヒジャーズ鉄道も。ロレンスを映画のネタとして発掘したアメリカの映画プロデューサーも登場。いちおうサイクス・ピコ協定バルフォア宣言のことも言っている。

イギリスがアメリカの金融資本を味方につけて参戦させようとしたという話も出てくる。しかし、そういう努力をしたのは事実でも、アメリカが金融界の圧力で参戦したとか、無理があるでしょ。

レーニンペトログラードのようすも映っている。10月革命の様子らしきものもあるけど、こんなに大勢人がいたかな?レーニンの演説が出てきたのはありがたい。内戦や反革命軍のポグロム、ロシア領ワルシャワのゲットーも映っている。

アメリカ参戦と、パリを行進するアメリカ軍。マークIの隊列や、ルノーもいる。オスマンは脱落し、ファイサルのダマスカス入城がある。ユダヤ人のパレスチナ移住も。

ドイツも降伏。ヴェルサイユ講和会議に向かうウィルソンと、歓談するロイド・ジョージ、クレマンソー、オルランド、ウィルソン。ケインズが動画で出てきた。まだ若いヒトラーや、亡命先のオランダで巻きを拾っているカイザーも出てきた。カイザーはドイツを呪いまくっている。

レーニンジェルジンスキーが出てくるし、チェカーによる処刑の場面が映っている。ロレンスの1935年の葬儀と、列席するチャーチルがいる。

後でヨーロッパを訪問する裕仁皇太子が登場。戦後は土地も穴だらけだ。

あまり見ない、オスマン帝国の戦線関係者、動いているレーニンジェルジンスキーケインズらを見られてよかった。しかし、ナレーションの内容はいろいろとおかしい。75分で第一次世界大戦全部をまとめるのは無理だけど、NHKは強引にストーリーを作りすぎ。困りますわ。