新国立劇場 ラインの黄金
ワーグナー 「ラインの黄金」
ヴォータン：ユッカ・ラジライネン
ドンナー：黒田 博
フロー：片寄純也
ローゲ：ステファン・グールド
ファーゾルト：妻屋秀和
アルベリヒ：トーマス・ガゼリ
フリッカ：シモーネ・シュレーダー
フライア：安藤赴美子
エルダ：クリスタ・マイヤー
ヴォークリンデ：増田のり子
ヴェルグンデ：池田香織
フロスヒルデ：清水華澄
演出：ゲッツ・フリードリヒ
新国立劇場、2015.10.1
新国立劇場の「ラインの黄金」、初日に行ってきた。これは新制作。席は3階だが、そんなに見にくくはなくてよかったよかった。開演前にテレビカメラと照明が客席を撮影していたので、やんごとなきお方でも来ていたのかなと思っていたら、後で聞くと皇太子ご夫妻が来ていたそうな。自分の席からは見えなかったので、関係ないが。
オーケストラは最初けっこうトチっていたし、スーパーよかったとはいえぬ。そんなことを言っても仕方ないが。そういや、カーテンコールで、飯守泰次郎大先生にブーイングしていた人がいた。そんなところに文句をつけても仕方ないけどね。
歌手でよかったのは、アルベリヒ、ローゲ、ミーメ、エルダ。アルベリヒは力強い声で名演。新国立劇場には初出演だって。これが聞けただけでもありがたい。ヴォータンのユジライネンは、悪くはない。前に新国立劇場で指環をやったときも、ヴォータンはこの人だったから安心して聞けた。しかし、スーパーよかったわけではない。ローゲ、ミーメ、エルダは抜群の出来。こんな人達を呼んで来られるのだから、さすがだ。
よかったのは、演出。新国の舞台をフルにつかっていて、ニーベルハイムは二層構造の下のほう。ニーベルング族は、黒くてよく見えないのだが、ペンライトだけを光らせていて、これはいいアイディア。ヴァルハラ城は、即物的な表現ではなくて、幕の向こうになんかキラキラしたものが光っていた。これもいいと思う。
ファーゾルトは死んだ後で、最後まで舞台に転がっていた。かわいそう・・・。
これは1シーズンに1作ずつやるので、2018年シーズンまで続く。飯守先生、ちゃんと保つのかなあ。歌手がこのくらいの出来で続いてくれれば、行く甲斐はあるし、演出もたのしみ。今季の新国は、来年の3月に「サロメ」、5月に「ローエングリン」がかかることになっている。行きたいなあ。特にローエングリン。
