潜水艦イ-57降伏せず
「潜水艦イ-57降伏せず」、池部良、三橋達也、平田昭彦ほか出演、松林宗恵監督、東宝、1959
東宝の潜水艦映画。白黒。
戦争末期、潜水艦イ-57が、連合国との和平交渉の使者である某国の大使とその娘をペナンから、スペイン領カナリー諸島に護送するように命令される。艦長の池部良は任務に不満なのだが、参謀の藤田進に、日本を救うにはこれしかないと言われてやむなく服従。
先任の三橋達也、軍医長の平田昭彦は、いろいろあるが、艦長の命令通り、大使親子を護送することになる。この外交官親子、父親はいいが、娘は不満だらけ。平田昭彦が親子の相手をしている(他の乗員には任務は秘密)。
途中でポツダム宣言が出て、艦の任務は意味がなくなった。司令部は無電を打つのだが、潜水艦の通信機が攻撃で損傷していて、命令は届かない。
池部良は何が何でも任務を果たしたいので、島に近寄って外交官親子をボートで放す。しかしそこに群がってくる敵駆逐艦。砲弾があたって、潜航はできなくなり、乗員はつぎつぎと戦死。艦長は断固降伏せずに、艦ごと駆逐艦の一隻に突っ込んで相打ちにするのでした。
潜水艦は自衛隊の本物(ガトー級)を使用。セットもちゃんとできている。しかし外交官の娘が文句ばかり言ってウザい。それに「Uボート」のようなリアル志向の潜水艦映画を見てしまうと、軍服がきれいすぎとか(娘が身体を洗えないと文句を言っているのに)、艦の動きが薄いとか、あんなに砲弾があたっているのでは艦が進めないはずとか、いろいろ気になる。
音楽は團伊玖磨が書いているので、非常によい。