日本建築集中講義
藤森照信、山口晃『日本建築集中講義』、淡交社、2014
しかし、藤森照信の知識量は半端なものではなく、日本建築、西洋建築、歴史のあっちこっちから何でも引用してしゃべり倒している。これはおそろしい。
建築を見ながら、その建築の所有者側の人から説明を受け、それを聞いてから場所を移して、論評していくというスタイル。山口晃は、のんびり聞いているようにも見えるが、受け方が的確。藤森照信は赤瀬川原平の老人力に対して青年力と言っている。知的な受けをできて、嫌味っぽく感じられないのは、相当なもの。
まあ見たといっても、この二人が見ているのに比べれば何も目に入っていないのも同然。そもそもこの本は、ただ読むためのものというよりは、実際にこれらの建築を訪問するための予習用の本。基本的に入ることができる建物を取り上げているので、ちょっとがんばれば行ける。