ドキュメント72時間・駄菓子屋 子どもたちの小さな宇宙

ドキュメント72時間」「駄菓子屋 子どもたちの小さな宇宙」、NHK総合、2015.5.15


この回のドキュメント72時間は、「駄菓子屋」。神戸の「淡路屋」というお店だが、場所の場末感といい、いい感じで古びたお店。もう50年以上、三代続く店で、お店を始めたおばあさんは93歳と言っている。これは本物だ。

当代の人(ねーちゃん)は45歳。昼間は小学校低学年のこどもが来て、ソースせんべいを買っている。買った駄菓子はお店で食べるので、そのスペースがちゃんとある。

この店の大事な商材は「クレープ」。100円から350円くらいの値段で、おやつにも軽食にもなる。さすがに今どき、10円や30円の駄菓子では生きていけないわ。

夕方になると中学生が来ている。中学生でも来るのは店主(ねーちゃん)の人徳だ。この店、看板には11時30分から21時までやっていることになっている(日曜休み)が、閉店は夜に客がいなくなったら適当にしている。

この店は神戸市兵庫区にあることになっているが、回りの町は、本当にボロく、震災の前から大して変わっていないのではないかと思われるようなところ。こんなところが本当にあるのか・・・。

店の中では小学生がケンカ。ねーちゃんは全然介入しないが、こども同士で自主的に解決。明らかにダウン症とわかる大人も来ていて、こどもからは仲間扱いされている。すごい。

夕方に来ているのは、もう高校を出たくらいの若い人。「鑑別所で飲んだコーヒー牛乳の味が懐かしい」と言って来ている。こどもが8人いる母親とか、中学3年の時に妊娠したこどもを連れてきているシングルマザーのおねえさん(20歳)とか、客は多士済済。みんな、この店の昔からの馴染みだ。えらいところだ。

中学生の女の子が片思いの相手の話をしたり、夜の客にはビールを出したり、その客の弟が海で死んでいて思い出話をしていたり、こんな場所が現代にあることに腰を抜かしそうになる。

この番組の中でも、傑作回。「じゃりン子チエ」に出てくるような世界が今でもあった。調べたら、この「淡路屋」、食べログぐるなびに出ている。なぜなら、夜は居酒屋としてもやっているから。
しかもこのお店、自前のブログをやっている。

神戸市でも和田岬にあるお店。和田岬といえば、和田岬線。これは行くしかないような気がしてきた。夏になったら、必ず行くわ。