青春H できる子の証明

「青春H できる子の証明」、相田淑見ほか出演、原田裕司監督、2013


これは「青春H」というシリーズもの映画のひとつ(31作目)で、監督はこれが長編第1作、女優も出ている人は一人も知らない映画。主役の相田淑見という人も、これ1作しか出ていないようでまったく情報なし。

いちおうエロ映画っぽい体裁になっているが、「抜ける」ような部分はほとんどなく、最近たまにあるエロ味付けのある自主映画みたいなもの。

ストーリーはわけのわからないもので、主人公サチ(相田淑見)が、男に浮気され、バイト先の店長にフェラチオを強要され、タクシーの運転手にタクシー代がわりに体を提供し、小便しているところを写真にとられ、もうどうにもならなくなって、橋の上から飛び降りようとする。そこに売れないストリッパーの女がやってきて自殺を止めるが、こっちはこっちでストリッパーとしてはどうしようもない見た目で、しかもダンナは病院で死にかけている。サチは、片田舎のストリップ小屋で暮らすあいだに、なんだかんだで人生に前向きになっていく、というようなもの。

主人公はまったく可愛くなく、濡れ場はヌルく、主人公はどこでもうんこを漏らす、というかなりきつい設定。しかし、この主人公に変な魅力があり、それだけでなんとか見せている。

この容姿で、天然キャラ、芝居が特にうまいわけでもないので、映画で活躍できるような人だとは思われないが、ちょっと見ていると、目が離れなくなるような人。他のキャスト=浮気ばかりするダメ彼氏、ポンコツストリッパーや、死にかけているその夫、怪しいストリップ小屋の支配人らの他のキャラもどうしようもないが、キャラ立ちしている。深夜エロ映画というくくりの中ではいい味出してると思う。