汚れなき悪戯

「汚れなき悪戯」、パブリート・カルボほか出演、ラディスラオ・ヴァホダ監督、スペイン、1955


これは子供の時にキリスト教の学校で見せられて以来、何十年ぶりで見た。スペイン語の映画だったのか。

19世紀のはじめ、ナポレオンとの戦争が終わったばかりのスペインの話という設定で、修道院に置き去りにされた赤ん坊が神様と直接話をして、結局天に召されるという奇跡物語。

この子役、パブリート・カルボがとにかくかわいい。この子の魅力でもっている映画だし、これ1本しか出演作が見当たらないが、それで十分。子供の理想像みたいなもの。

捨て子の親代わりになる修道士たちが、いずれもいい顔をしている。ごついおじさんやおじいさんばかりだが、田舎の小さい修道院にいるのはこういう朴訥な人たちだろうなあと思わせるような人々。この人たちのところに神の奇跡が来たのだといわれても納得させられる。

しかし神様は、声だけで姿は映らないとはいえ、こんなにあっさり出てきていいのかな。簡単に出てこないものが出てくるから奇跡なのだが・・・。

嫌なキャラは出るが、悪人は出てこない。全年齢対象のありがたい映画。この映画が学校で上映されたのも当然か。

子役のほかにいいのは、歌。主題歌は、何十年ぶりであっても、ちゃんと覚えている。それくらい印象に残る歌。音楽、ストーリー込みで、佳作。