マッサン 130-132話

「マッサン」、130-132話


一馬は出征前に俊夫に礼を言い、俊夫は「死んでも生きて帰って来い」という。一方、熊虎はエリーに、「自分が戦ってこいと言わなければ、一馬は腹をくくれない」と言って涙を流す。エリーは、「その気持を一馬に伝えろ」と無粋なことを言っている。当然熊虎は答えない。

エリーは、エマに千人針を縫ってやれと言うが、エマは「そんなもので鉄砲の弾がよけられるの」とアホみたいなことを言っている。エリーは、「大人になって」と当然の説教をするのでした。エマは翌日おとなしく千人針を縫って持ってくる。

エリーは、熊虎に「蛍の光」の英語のバージョンを歌って、気持ちを伝えろと勧めるが断られる。一馬はウィスキーのブレンドの基本だけ教えてもらい、マッサンに「本当は怖いんです」と泣き出す。

出征の送別会、工場の従業員や近所の人らが集まったところで、一馬があいさつし、エリーは「蛍の光」をオルガンでひいて、みんなで歌う。マッサンが熊虎に最後の一言を促すと、熊虎は懐から「蛍の光」の英語の歌詞を出して歌い、英語の歌詞が書かれた幕が引き出されてきて、集まった人々がみんなで英語の歌詞を歌う。

その夜になって、一馬は遺書を書き、「明日読んでくれ」と熊虎に渡す。熊虎はガマンできずにすぐに読んでしまう。内容は、ニシン漁の思い出と父と姉への感謝、自分がこれまで生意気なことを言ってきたことへの詫び、生きて帰ってきたらいろいろ思い出を聞かせてくれという言葉。さすがの熊虎も涙を流す。

出征の朝、熊虎は一馬の頭をバリカンで刈ってやる。もう十分短い髪だが丸坊主に刈っている。アホの子だったエマすら「覚悟はできてます」と言っている。熊虎の言葉は、「会津に連れて行く。卑怯と呼ばれてもいいから生きて帰って来い」というもの。一馬は、マッサン、エリー、エマに頭を下げ、エマから蛍の光の英語の歌詞が入ったお守り袋をもらい、熊虎にハグされて行く。


現在のドラマとしてはこうするしかないと思うが、遺書の内容はいいとして、熊虎が息子を抱きしめるとか、壮行会を出征の朝にやらないこととか、いろいろ変だ。それに、熊虎が最後の間際まで黙っていたことを、口に出して言ってしまうのはどうなのか。これを工場や近所の人がいるところでは言えないから、身内だけで送り出すことにしているのだが、黙って意思を伝え合うという昔の日本のドラマはもう滅びたということだろう。しかたないか。