直撃!地獄拳

「直撃!地獄拳」、千葉真一佐藤允、郷鍈治ほか出演、石井輝男監督、東映、1974


石井輝男のむちゃくちゃ映画。いろいろとおかしい。

元警視総監の池部良が、麻薬組織壊滅のため、3人の男をリクルート。それが、甲賀流忍者の末裔の千葉真一、元警視庁麻薬一課長で池部良の元部下、いまはヤクザという佐藤允合気道師範の郷鍈治。

この3人で麻薬組織に殴りこむのだが、もちろんみんな素手。麻薬組織のほうは、中ボスが津川雅彦アメリカ人の大ボスに、「やつらは強すぎる。ハジキを使わせて下さい」と懇願するが、「日本の警察は優秀なので、ハジキを使ったら組織ごとやられる」という意味不明な理由で却下される。

結局、麻薬組織も一切銃器なし。これでは快傑ズバットよりかわいそう。

麻薬組織は人数が多いし、助っ人に安岡力也とか、プロボクサーの西城正三、ゴリラみたいな外人ほか、いろいろ出しまくっている。人間動物園という感じ。一方、3人組の助っ人は、和製ドラゴン、倉田保昭。これもおもしろだ。

内容はバカ映画だが、千葉真一倉田保昭のキレはすばらしい。千葉真一は、びゅんびゅんヌンチャクを振り回しており、ブルース・リーより早そう。しかし、相手が素手なのに、正義側がヌンチャク使うってどうなの?

催眠ガスでフラフラになり、殴られほうだいだった千葉真一が、いきなりシャキッとして、組織の手下を殴りまくったり、倉田保昭が、「車の借金が・・・」と言い残して死亡とか、いろいろ変。変な場面が続きまくるし、アクションはおもしろいし、画面から目が離せない。

3人組の報酬は、組織が取引しようとしている麻薬なのだが、ラストで津川雅彦(役名が、マリオ・水原って、これも変)が、崖の上から放り投げてしまい、ついでに津川雅彦は金髪おねえさんごと、剣で自分を串刺しにして、崖から飛び降りた。落ちているのが人形丸出しでなんともいえない。

格闘はほとんどしてない佐藤允と郷鍈治も、味を出しまくっている。他にも、室田日出男とか、名和宏とか、芹明香とか、ちょい役でたくさん出演。

カラテあり、忍者あり、ボクシングあり、昔のアクションは材料豊富でたのしい。カーチェイスもかなり気合が入っている。