新・ミナミの帝王 6話

「新・ミナミの帝王」6話、「狙われた銀次郎」


ミナミの帝王」の映像化作品といえば、竹内力主演のVシネマだが、千原ジュニア主演のテレビドラマ版をはじめて見た。といっても、この作品は原作のマンガを読んでおらず、Vシネマ版を数作見ただけ。

主役の萬田銀次郎千原ジュニア、脇役は大東駿介赤井英和で、これは全作で固定のキャスト。レギュラーはこの3人だけ。時間は80分。

この話は、銀次郎が金融詐欺に会い、債務者が救急車で運ばれて死んでしまう。銀次郎は、債務者が戸籍を偽造された人物とみて、その家族から糸を手繰っていくと、事件の背後には救急車で運ばれた病院の院長がいるとわかる・・・というもの。

話の途中で、悪役が女性院長(伊藤かずえ)だというネタばらしがあるが、いろいろとエピソードを盛ってあるので、ネタバレはあまり気にならない。しかし、竹内力の印象が強すぎるというだけでなく、千原ジュニアに俳優としての迫力があまりない。強面でなければならないわけではないが、「闇金ウシジマくん」の山田孝之のような寡黙な凄みに欠けている。

戸籍が偽造されていて身元がわからない債務者をどうやって探し出すかが、この話のキモのはずだが、見つかるきっかけはかなり偶然に頼っていて、これはいまいち。

債務者が、院長と兄妹というのもあっさりしすぎ。銀次郎が、債務者の身元書類だけをチェックしてカネを貸すのも脇が甘すぎる。

話はけっこうおもしろくできてはいるが、金貸しのエグさがあまり感じられない。これは竹内力のバージョンでも同じなので、そういうものなのかもしれない。だったら、役者のキャラクターや演技力が重要だが、千原ジュニアは線が細すぎると思う。もったいない。