赤毛のアン 32話

赤毛のアン」32話、「生涯の一大事」


ダイアナが「すてきなニュース」を持ってきた。ジョゼフィンおばさんが、「博覧会を見に、町に泊まりにくるように」と言ってきたのだ。アンは、マリラの反応を心配するが、ダイアナはおかあさんから、マリラに頼んでもらうという。

マリラは意外にも、アンの小旅行をあっさりと認めた。新しい服も作ってくれた。アンは大喜び。

シャーロットタウンの町は、海のほとりにある小さな町。それでもプリンスエドワード島では1番大きな町なのだ。ジョゼフィンおばさんはここの郊外に住んでいる。黄色の壁に緑の屋根がついた3階建てのりっぱな家。ジョゼフィンおばさんはアンの器量よしをほめるので、アンはとてもごきげん。

ジョゼフィンおばさんは暖炉とシャンデリアがついた客間に、アンとダイアナを案内してくれる。絹のカーテン、ヴェルヴェットの敷物にも感動するアン。

町の博覧会は人でにぎわっていた。博覧会にはプリンスエドワード島の人がみな集まっていたのだ。観覧車や、たくさんのテント、いろんな物産やアトラクションがある。ジョーシー・パイの刺繍が「一等賞」をとって飾ってある。ジョゼフィンおばさんがいちばん気に入っているのは、チーズとバターの展示場。リンド夫人のバターとチーズが一等賞をとっていた。ジョゼフィンおばさんは、アンとダイアナを馬車競争に誘う。メリーゴーランドにも乗せてもらい、気球が上がっているのも見た。おみくじも引かせてもらった。

夕方には音楽学校のコンサートに連れて行ってもらう。こっちはコンサートでも、子供ではなくてプロ候補生が出ているので、本格的。コンサートの後は、レストランでアイスクリームを食べさせてもらう。

翌日になって、ジョゼフィンおばさんは二人を送り出してくれる。アンは、ジョゼフィンおばさんにキスをして、お礼を言う。ジョゼフィンおばさんもとても満足。ジョゼフィンおばさんは子供のいない自分の寂しさを思って涙を流す。

アンは、アボンリーに戻ってきて、バリーさんによくお礼を言ってから、グリーンゲイブルズに戻ってくる。マリラは、鶏の丸焼きを支度してくれている。マリラは、アンがいなかった4日間がさびしかったが、アンから、「一番よかったのは家に帰ってきたこと」と言われてまたごきげんになった。


この回も、「いいことずくめ」の回。昔の田舎にいた人にとって、町での生活がどんなに豪華なものだったかが、よくわかる。だから、「家が一番」というアンのセリフがきいているのだ。