赤毛のアン 30話

赤毛のアン」30話、「虚栄と心痛」


マリラが講演会に出かけたので、アンは留守番。そこに化粧品の行商人がやってきた。はじめ、宣伝文句でアンを釣ろうとした行商人は、今度は自分の娘が病気で…という泣き落とし。アンは簡単にひっかかってしまう。

行商人が強く推してきたのは、毛染め液。これを使うと、髪がカラスの羽のように黒くなるという。行商人は毛染めを50セントでアンに売りつけて、大喜びで帰っていく。ところが、アンが毛染め液を髪に塗ってみると、髪は緑色になってしまい、アンは悲鳴をあげる。

マリラは、帰り道にアンのことで、リンド夫人とケンカ。それもアンを可愛く思うゆえのこと。アンの出迎えを期待して家に戻ると、アンの教科書と石板が机に置きっぱなし。ストーブもついていない。マリラは、アンがいないのでプンプンして、マシュウにグチっている。アンが帰らないので、マリラはだんだん心配するが、アンの部屋にろうそく立てを探しに行ったマリラは、アンがベッドに突っ伏しているところを見つける。

アンはベッドに突っ伏して泣いているが、起き上がったアンの髪の毛は緑色。しかも赤とみどりのまだらになっている。マリラはアンを下に連れて行って、全部てんまつを話させる。やっと行商人のことを聞いて、マリラはアンの虚栄心を叱る。それでもアンの髪の毛をお湯で洗ってやるが、そんなことでは毛染めは落ちない。

翌日、ダイアナがアンを迎えに来たが、アンの髪の毛を見てびっくり。アンはジョーシー・パイに髪を見られるくらいなら死んだ方がマシと泣き叫ぶ。それからアンは一週間学校を休んで髪を洗うが、毛染めは落ちない。とうとうマリラは、「髪を着るしかない」と宣告。アンはぶるぶる震えているが、結局切ってもらうことになる。男の子のように短い髪になるアン。

ダイアナは、アンの短い髪をホメて、アンにリボンをつけてくれる。ちょっと見られるようになり、アンのごきげんもちょっと治る。学校では本当の理由に気づいたものはいないので、アンの髪の毛は、ジョーシー・パイ以外の者にほめられる。


いい話の後にもちゃんと失敗談が来ているのが、この話のいいところ。悲劇を回収する手並みもさすが。