昭和残侠伝 一匹狼

「昭和残侠伝 一匹狼」、高倉健池部良ほか出演、佐伯清監督、東映、1966


これは第3作。このシリーズ、話は完全にワンパターンなので、高倉健池部良を見るための映画。先に実録もののヤクザ映画に慣れてしまうと、こっちはアナクロにしか見えないのだが、それはそれでよし。

この話は、昭和初期の、漁港が舞台。池部良は、最初に高倉健の親分を切ってしまう。つまり、高倉健池部良は敵同士。ちょっと工夫したらしい。

漁港の網元、浜田に御木本伸介、それを助ける潮政一家の貸元島田正吾、その妻が扇千景。悪役川銀一家の貸元河津清三郎

高倉健は、島田正吾の世話になっているのだが、そこに旧怨のある池部良河津清三郎のところにわらじを脱ぐ。またまた敵同士の両人だが、心はひかれあっている。ついでに池部良の妹が、藤純子で、これも高倉健に惚れている。

河津清三郎の命令で、高倉健を切ろうとする池部良だが、結局、高倉健の襲撃に同行してしまうのだ。料亭での斬り合いで、高倉健、刺されたと思ったが、全然動じてない。ゾンビだ。

料亭で20人くらい斬った後で、浜辺に移動。ここでもじゃんじゃん斬るが、池部良が後ろから刺されてしまう。高倉健河津清三郎を狙いに行くと、ピストルで撃たれる。あーあと思っていたら、ピストルを持った子分を、瀕死の池部良が袈裟懸けに斬ってしまう。またゾンビだ。河津清三郎はバッサリやられ、池部良高倉健の腕の中で死ぬ。高倉健は無言で警察にひかれていくのでした。


高倉健は、歌はうまくないが、この映画にはちゃんとハマっている。高倉健池部良は、この映画の鋳型から生まれてきたようにセリフや動作のひとつひとつが決まっている。おもしろいというのではないが、これが非常に受けていたのには納得。