都築響一、大竹伸朗トークショー

『ROADSIDE BOOKS ── 書評2006-2014』(本の雑誌社) 刊行記念

都築響一 × 大竹伸朗トークイベント、2014.7/30




都築響一の新刊が出たので、その販促イベントが青山ブックセンターであったので、行ってきた。イベントは満員で、さすがは都築響一大竹伸朗は、8月1日から、横浜トリエンナーレがあり、明日はその内覧会で、切羽詰まっている時期なのにやってきた。本人は、展示は自分にはめずらしく、もうだいたいはできている、と言っていた。

都築響一いわく、販促のためにいろいろイベントを要求されていて、もう3回目なので、自分一人では飽きたから大竹伸朗を呼んできたとのこと。

しかし、トークの内容はこれまで聞いたものとはまったくかぶっておらず、新ネタばかり。しかも、本の内容をしゃべるのではなく、本に載っていない「おもしろい本」について話していた。さすがだ。

この本そのものは書評なのだが、半分くらいは、「自費出版」の本。トークの内容もほとんどが自費出版または、品切れ絶版の本について。日本語の本だけではなく、半分くらいは外国語。まあ写真集やアートの本だが、探してくるのがたいへんだ。

プロの写真家や美術家の本ではなく、素人の本だが、視点がすごい。The Nine Eyes of Google Street View というのは、グーグルストリートビューにたまたま映り込んだ変な写真を集めたもの。裸のおばさんとか、警察の捜査で壁にならばされている容疑者とか。こういう写真はグーグルストリートビューに出てから、編集で修正され、なかったことにされるのだが、消される前の画像を集めている人がいるのだ。

「エロ写植」は、エロ漫画の吹き出しの文字を写植で入れていた時に、つくられていた写植文字のスクラップ。爆笑ものだが、コンピューターで文字を入れるようになった今は、元ネタ自体が消滅してしまったというもの。


大竹伸朗の作品を写真集にしたものもあったが、大竹伸朗は、自作じゃない方の作品集に感心していた。素人が一瞬のひらめきで作るものには、プロの手が及ばない、神が降りてきた作品というものがあるのだ。

終わった後は、サイン会だったので、都築響一にサインをお願いし、ついでにどうやって本を集めているのかを聞くと、「人が教えてくれる。後は足で稼ぐしかない」とのこと。本屋めぐりや書評に目を通すだけではわからないことがたくさんあるということ。