新・夢千代日記 3話

「新・夢千代日記」3話


藤森刑事は、逃げた松田優作を追いかけて徹夜だが、「これだけ追いかけて見つからないのだから、もう町からは出ているだろう」とのんきなことを言っている。その相手をしているのは、小夢。しかし、はる家には、松田優作が隠れているので、必死でごまかそうとする。

藤森刑事は、はる家に上がり込んで、松田優作の靴を見つけてしまう。靴の持ち主を追及する刑事だが、金魚と菊奴がなんとか言い抜ける。

松田優作は、はる家に泊めてもらうのだが、寝汗をかいていて苦しそうな様子。高熱を出していて、階段もまともに降りられない。夢千代は電話で診療所に往診を頼む。医者は、沼田曜一。これは本物の医者だ。

藤森刑事には、夢千代が自分で電話をかけて松田優作を泊めたことを伝えてくる。

夢千代の父を名乗る有田久三(田崎潤)は、サン商事の沼田の刑務所仲間だったので、白兎とストリップ小屋の「管理人」ということで、居残ることになる。

夢千代は、藤森刑事に、松田優作は乱暴な人ではないと説得して、なんとかはる家に置いておくことを認めるようにしてもらう。松田優作は、大きな病院に入っていたこと、そこで人殺しとののしられていたことをぼつぼつと思い出す。藤森刑事は、小夢に言って、松田優作の指紋だけを取って、帰っていく。小夢は、有田久三の身元も調べてくれるように、藤森刑事に頼む。

前回、生き別れた息子と対面したおスミさんは、はる家に戻ってくる。息子の王永春は手続きをして日本に永住することになるので、教育その他のために東京に住むようすすめられるのだが、おスミさんは東京には行きたくないという。また親子関係を確かめるための血液検査も断る。実の息子であろうとなかろうと、一度息子を殺した自分にとっては、喉に傷のある子はみな自分の子だという。

夢千代は、本来原爆手帳をもらっていてもよいはずだが、胎内被曝で、母親が被曝の証人二人を見つけることができなかったという事情も説明される。


この第3シリーズでは、松田優作の過去、吉永小百合の過去、おスミさんの過去、旅回りの一座、の4つのストーリーが混じって展開する。10回シリーズの第3話だが、まだ謎だらけ。どうしても次も見なければという気にさせるドラマ。