さらば空中戦艦・富嶽
「さらば空中戦艦・富嶽」、土曜スペシャル、1979
これは、「潜水空母イ401」の姉妹編、Z攻撃機こと富嶽のおはなし。最初から、富嶽の大編隊がニューヨークを爆撃する場面が来た。この場面は、「イ401」にもなぜか映っていたので見ている。
「イ401」と同じで、関係者へのインタビューと再現ドラマを組み合わせたつくり。主役は中島知久平で、これをハナ肇がやる。近衛文麿を久米明、東條英機を内田朝雄。久米明は、かなり近衛文麿に似ている。内田朝雄は、「トラ・トラ・トラ」でも東條英機を演じていたのでなつかしい。ハナ肇は、ちょっと若いが、押しの強そうな感じで、適役。
旧中島飛行機太田飛行場の跡地に行って、地面に富嶽と同じサイズの白線を引いて見せている。だいたいB-29の1.5倍くらいのサイズなので、現用の旅客機や爆撃機のサイズを見ているとこんなに小さいのかとあきれる。これで爆弾20トンを積んで、18000km飛ぶって、基本的に当時の日本には無理ですね。
それに開発計画は1942年に始めているのだ。B-29は、1942年の秋にはもう初飛行しているので遅すぎ。
インタビューは、中島飛行機の設計者たちの多くが富士重工やら大学やらに移って存命なので、いろいろ聞けている。インタビュアーはまたもや水野晴郎。ニコニコしているので、緊張感はあんまりない。話をしているのは当時の技師以外は、番組のプロデユーサー。こっちは、イ401と違って実物はできなかったので、用兵側の軍人はあまり出てこない。
それでも機首部分の一部だけだが、モックアップをつくって見せている。えらい。また中島知久平の旧宅がまだ残っていたので、そこでロケもやっている。近衛文麿の荻外荘でもロケ。この辺は、制作者の気概を感じる。嶋田海相はイヤそうな反応だが、東條首相がゴーサインを出したので計画は始動。明治生命ビルの6階に、中島飛行機と陸海軍の委員を集めたZ機委員会があり、その部屋も映っている。
アメリカ本土爆撃の場面は、だいたい10機くらいの模型を動かしている。ニューヨークは炎上、エンパイアステートビルも、自由の女神像も吹っ飛んだ。時節柄、いろいろとまずい。そして、なぜかB-29の編隊と交戦。これはないでしょ。B-29編隊は壊滅だ。ついでに富嶽の雷撃機型が、アメリカ空母部隊を全滅させる。ここはミニチュアを作るお金がなかったようで、「絵」でした。
そのうちサイパン島が陥落し、富嶽計画は中止。引導を渡したのは大西瀧治郎。中島知久平は、軍の特攻計画にイヤミを言って引き下がる。
アメリカの方の映像は、B-29の製造工場やら、マリアナの基地から飛び立つ場面、編隊飛行する場面など、ちゃんと実物で映っている。こっちは圧倒的だ。
最後は、中島知久平が反戦主義者みたいなことを匂わせて終わり。いくらなんでもそれはないでしょ。水野晴郎が「戦争って、ほんとうに痛ましいもんだと思います」と、取ってつけたようなことを言っている。富嶽の模型を見られてよかったけど。
これは、「潜水空母イ401」の姉妹編、Z攻撃機こと富嶽のおはなし。最初から、富嶽の大編隊がニューヨークを爆撃する場面が来た。この場面は、「イ401」にもなぜか映っていたので見ている。
「イ401」と同じで、関係者へのインタビューと再現ドラマを組み合わせたつくり。主役は中島知久平で、これをハナ肇がやる。近衛文麿を久米明、東條英機を内田朝雄。久米明は、かなり近衛文麿に似ている。内田朝雄は、「トラ・トラ・トラ」でも東條英機を演じていたのでなつかしい。ハナ肇は、ちょっと若いが、押しの強そうな感じで、適役。
旧中島飛行機太田飛行場の跡地に行って、地面に富嶽と同じサイズの白線を引いて見せている。だいたいB-29の1.5倍くらいのサイズなので、現用の旅客機や爆撃機のサイズを見ているとこんなに小さいのかとあきれる。これで爆弾20トンを積んで、18000km飛ぶって、基本的に当時の日本には無理ですね。
それに開発計画は1942年に始めているのだ。B-29は、1942年の秋にはもう初飛行しているので遅すぎ。
インタビューは、中島飛行機の設計者たちの多くが富士重工やら大学やらに移って存命なので、いろいろ聞けている。インタビュアーはまたもや水野晴郎。ニコニコしているので、緊張感はあんまりない。話をしているのは当時の技師以外は、番組のプロデユーサー。こっちは、イ401と違って実物はできなかったので、用兵側の軍人はあまり出てこない。
それでも機首部分の一部だけだが、モックアップをつくって見せている。えらい。また中島知久平の旧宅がまだ残っていたので、そこでロケもやっている。近衛文麿の荻外荘でもロケ。この辺は、制作者の気概を感じる。嶋田海相はイヤそうな反応だが、東條首相がゴーサインを出したので計画は始動。明治生命ビルの6階に、中島飛行機と陸海軍の委員を集めたZ機委員会があり、その部屋も映っている。
アメリカ本土爆撃の場面は、だいたい10機くらいの模型を動かしている。ニューヨークは炎上、エンパイアステートビルも、自由の女神像も吹っ飛んだ。時節柄、いろいろとまずい。そして、なぜかB-29の編隊と交戦。これはないでしょ。B-29編隊は壊滅だ。ついでに富嶽の雷撃機型が、アメリカ空母部隊を全滅させる。ここはミニチュアを作るお金がなかったようで、「絵」でした。
そのうちサイパン島が陥落し、富嶽計画は中止。引導を渡したのは大西瀧治郎。中島知久平は、軍の特攻計画にイヤミを言って引き下がる。
アメリカの方の映像は、B-29の製造工場やら、マリアナの基地から飛び立つ場面、編隊飛行する場面など、ちゃんと実物で映っている。こっちは圧倒的だ。
最後は、中島知久平が反戦主義者みたいなことを匂わせて終わり。いくらなんでもそれはないでしょ。水野晴郎が「戦争って、ほんとうに痛ましいもんだと思います」と、取ってつけたようなことを言っている。富嶽の模型を見られてよかったけど。