レンタネコ

「レンタネコ」、市川実日子、草村礼子ほか出演、荻上直子監督、レンタネコ製作委員会、2012


たぶん現実にはなさそうな、変なファンタジーという荻上直子の映画。今回のネタは「ネコ」。

市川実日子が、「レンタネコ」と書かれたのぼりを出して、ネコをたくさん載せたリヤカーを引いていくという設定。心の寂しい人にネコを貸すという、仕事というにはあんまりなもの。もちろん食べるものは別の手段で稼いでいる。

貸してもらう方は、草村礼子、光石研、山田真歩、田中圭。まあ一癖ありそうな人たちではある。しかし、それぞれの寂しさが強調されている描写が、やや、くどい。寂しいからせめてネコにいてもらってなぐさめてもらおうというのは、そういうことがあったらいいなとは思うが、実際に動物を飼うのはいろいろとたいへんなのだ。映画の中ではそういうことにもちょっと触れられているし、文句を言うところではないが、どうも納得行かない。

市川実日子は、中年の少し手前で、少しりりしさがあって、よい。ネコが勝手に暮らしている感じもよく出ている。