日本発見 北海道

「日本発見 北海道」、岩波映画、1961


この「日本発見」シリーズ、制作は岩波映画だが、映画ではなく、NETで放送されていたテレビドキュメンタリーだとわかった。それで番組の冒頭に「富士製鉄提供」と出ていたのね。

映っているのは、根釧平野の開拓地。ここは雑木林だった火山灰地を世界銀行の融資で酪農用地として開発した。そういえば、小学校の社会科で、パイロットファームのことを習ったのを思い出した。

江差はかつてニシン漁の中心だったが、この当時すでにすっかりさびれている。昭和初めごろの映像も映っていて、大量のニシンが上がっているが、このフィルムを撮影したときは、もう昆布しか取れない。この時期には、北海道漁業の中心は、ソ連

札幌はもうビルが林立する都会。このフィルムの中で北海道で「都市」として紹介されているのはここだけ。屯田兵の写真と自衛隊も映っている。

篠津は泥炭地を開拓して水田を造成している。ここも世銀の融資で開発。北海道農業はまるっきり政府支援の国策産業だ。

炭鉱の町夕張。このころはまだ炭鉱は主要産業なので、夕張は活気のある町。製鉄の町室蘭。ここはスポンサーの富士製鉄の製鉄所があるので、丁寧に映している。製紙業の町苫小牧。北海道は、町一つに産業一つが対応しているので、工業地は単一産業で成り立つ城下町みたいなもの。

十勝は豆作と酪農。豆の市場価格の変動をラジオで流している。政府買い上げのコメ農業と違って、豆作は市場がすべて。

観光は、阿寒湖。この頃すでに北海道は日本全体の避暑地。

最後に青函連絡船が映っておわり。

この頃の北海道はまだ「開拓地」。原野の開拓には莫大な初期投資が必要で、農業も工業も政府の手が入らなければ何もできない。人の乗らない鉄道があれだけできてるわけだ。北海道は札幌とその周辺以外にあまり行ってないので、道東や道北に行ってみたい。