東京アンタッチャブル

「東京アンタッチャブル」、三國連太郎高倉健丹波哲郎ほか出演、村山新治監督、東映、1962


三國連太郎高倉健が刑事、丹波哲郎が凶悪脱獄囚という配役の刑事もの。

丹波哲郎は宝石泥棒で刑務所に入っているが、さくっと脱獄。この場面、土砂降りの雨の中を、丹波哲郎が作業用のはしごをきれいに使って逃げている。

丹波哲郎の目的は、入獄前に隠しておいた宝石を回収すること。三國連太郎は、宝石泥棒のついでに警官を射殺した丹波を逮捕した刑事なので、なんとしても丹波を捕まえたい。必ず近くに宝石を隠してあるはずだと睨んで、捜査を続ける。

丹波哲郎は、完全な悪党で、カネ目当てに女をさらって車に押しこむ(なんでわざわざ誘拐するのかは不明)のはいいが、騒がれるといきなりズドンと射殺。他の仲間は完全に逃げ腰なのだが、丹波哲郎はなんとも思っていないようす。

高倉健丹波哲郎をもうすこしのところに追い詰めて逃してしまい、三國連太郎にブチブチ嫌味を言われたり、気分が落ち込んだ高倉健が恋人の三田佳子をホテル(このころなので、旅館ですね)に誘って振られたり、いろいろ展開はあるのだが、丹波哲郎が宝石を隠していたバー(これが三國連太郎の行きつけの店)に忍び込み、宝石を回収して、居合わせたバーテンをまた射殺してからが、見せ場。

今度こそ逃さじと、三國連太郎高倉健が、追いかけまくる。ところが、丹波哲郎は、なぜか三田佳子の家に侵入。三田佳子を人質にとってしまう。高倉健は微妙な痕跡で、丹波哲郎がいるとわかるのだが、三田佳子を殺されてはかなわないので、必死だ。

丹波哲郎は逃げたついでに胸に銃弾を受けているので、鏡を見ながら、ピンセットを使って自分で銃弾を取り出すという、華佗もびっくりの離れ業を敢行。ほとんど痛そうな顔をしていないところが人間離れしている。しかし、弾を取り出すところで丹波哲郎、目をつぶっているのだが、それじゃうまくピンセットを使えないでしょう。

三田佳子の家は倉庫の一角にあるので、後は倉庫での追撃戦。しかし、居場所がわかった上で突っ込むのに、三國連太郎高倉健2人だけなのは変だし、丹波哲郎が倉庫の外に出てきたら、いきなり真っ昼間なのもおかしい。とうとう進退窮まった丹波哲郎は、逃げる拍子に足を滑らせてビルからぶら下がるはめに。三國連太郎高倉健が必死で助けようとするのだが、あわれ、ビルの屋上から落下して死んでしまうのでした。

この映画、高倉健だけじゃなく、三國連太郎もモテまくっているのだが、女の人はあんまりいらないわ。三國連太郎に言い寄ってくるバーのママ(渡辺美佐子)は美人でうらやましいが。