ドーベルマン刑事(1977映画版)

ドーベルマン刑事」、千葉真一松方弘樹ジャネット八田ほか出演、深作欣二監督、東映、1977


原作もテレビドラマ版も見ていないのだが、これは相当めちゃくちゃな映画。

千葉真一は、石垣島出身の沖縄県警の刑事。なぜか黒い子豚を連れている。この千葉真一のどのへんがドーベルマンなのか、よくわからない。新宿で女性の連続殺人事件が起こり、その被害者の一人が石垣島の出身。しかし、千葉真一が言うには、母親の霊媒師が娘は生きているといっているから、生きているという意味不明な話。

そうしているうちに、ぜんぜん関係ない歌手のジャネット八田がホテルの部屋に監禁されるという事件が発生。犯人は「キチガイ」の志賀勝室田日出男が、「キチガイは射殺しろ!」と不穏なことをわめいているところに、千葉真一が、「おれが窓から飛び込んで犯人を捕まえる」と宣言。

このホテル(40階建てという設定だが、実際には20階くらい)の屋上からロープでぶら下がって、部屋に突入というカット、千葉真一はスタントなしで、本人が屋上からぶら下がっている。さすがですね。しかし、素手でホテルのガラス窓を破るのか?千葉真一は「おれの腕はハンマーの5倍強い」とか言っているが…。

この事件が無事に解決した後、千葉真一は暴走族の岩城滉一が、ジャネット八田松方弘樹を脅してカネをもぎ取ろうという計画に加わった。なんでだ?

しかし返り討ちにあって、千葉真一岩城滉一は捕まってしまい、あわや殺されそうになるところが、松方弘樹の子分が失敗して、銃弾がロープにあたり、千葉真一は墜落。即、拳銃を奪い取って、子分を射殺。

岩城滉一は、そのまま逃げたが、千葉真一は警察に捕まってしまう。いろいろ弁明しているあいだに、暴走族仲間が、岩城滉一が死にかけていると告げに来て、千葉真一はそのまま逃走。岩城滉一のところにたどり着くが、着いた時にはもう死んでました。この犯人がなぜか、警官のはずの室田日出男。これも千葉真一に射殺される。

肝心の最初の連続殺人事件の犯人なのだが、なんと殺された女は石垣島の女ではなくて別人。そして殺したのはジャネット八田。このジャネット八田こそが、石垣島の女だった。ジャネット八田を捕まえようとする千葉真一に向かってくるのは、松方弘樹と子分。当然2人とも射殺される。

ジャネット八田はマネージャーの松方が殺されたのを聞いても、ステージに上がって、「スター誕生」(なつかしい)に優勝。なぜか、千葉真一は子豚を抱えて去っていくところでおわり。

なんだかわけがわからない。ストーリーも意味不明。とにかく千葉真一がなんでもかんでも射殺するというもの。ヒロインがジャネット八田というのが微妙だし、他に松田暎子とか、曲者揃いの配役。スカッとするというよりは、見た後で?という文字しか浮かばない。昔の新宿の様子がよく映っていて、「トルコ」の看板がやたらと目につく。