すべての婚活やってみました

石神賢介『すべての婚活やってみました』小学館101新書、2013


著者の前著、『婚活したらすごかった』がおもしろかったので、これも読んでみた。おもしろい。しかも実用的。

著者は、この本のタイトル通り、あらゆる種類の婚活を自腹で実践。だからこの本は著者の婚活体験レポート。取材のためにちょっと試してみましたというのではなく、著者はまじめに結婚相手を探しているので、この本の内容も真剣。それだけ内容もおもしろい。

婚活パーティーも市場が成熟してきて、ありきたりのパターン以外に、いろいろな種類の婚活パーティーがある。「歳の差」「50歳以上限定」「バスツアー」「中高年限定バスツアー」「ハイキング」「クルージング」「ランチ」「料理(作る方)」、タコ焼き(これも作る方)」「お寺」といろんな設定がある。これと別に、結婚相談所、インターネットの出会い系もやっていて、すべての婚活の内容と、成功するためのポイント、コストや向き不向きについての評価が書かれている。これから婚活しようとする人にとっては、非常に役に立ちそう。

著者は1962年生まれということなので、今年51歳になる。この年齢は婚活市場では非常に不利で、実際にパーティーでも結婚相談所でも、断られまくっている。しかし、断られるのが当たり前になると、耐性がついてくるようで、著者は傷ついてはいるが少々のことではあきらめないようになっている。

この本を書いている時点で結婚していないわけなので、著者の婚活がうまくいく可能性は低いが、この本を読んでいると、その理由が「婚活市場での価値が低い」ことだけではないことに気づく。これは相手の女性側にも言えることだが、年齢が高くなるほど(あるいは、婚活市場での価値が「高く」なるほど)、相手に合わせて自分を変えることがむずかしくなる。「可塑性」が低い人は、結婚できる可能性が低くなるというおはなし。

統計もいくつかあげられているのだが、2010年時点で、男性の平均初婚年齢31.18歳、生涯未婚率20.14%、女性では平均初婚年齢29.69歳、生涯未婚率10.61%。これはやはり大変だ。