モーツァルト クラリネット協奏曲、ブラームス 交響曲第4番 橋本杏奈、チョン・ミョンフン、アジア・フィルハーモニー管弦楽団

サン・サーンス   「ハバネラ」

ラヴェル      「ツィガーヌ」


   ヴァイオリン:小林美恵

   ピアノ:萩原麻未


ワーグナー      「タンホイザー」序曲

モーツァルト     「クラリネット協奏曲」


   クラリネット橋本杏奈

ブラームス      「交響曲第4番」


   チョン・ミョンフン指揮、アジア・フィルハーモニー管弦楽団上野学園ホール、2013.7.30


これは、ピースアーチなんちゃらとかいう音楽祭、というか広島のいつもの平和商売で、クラシックのコンサートを2本、ジャズやら何やらいろんなコンサートや、「経済人会議」やいろいろと催し物をやるという企画。外務大臣とか、知事とか市長とかエライ人がたくさん来ている。こちらはそんな商売はどうでもよく、いいコンサートが来ればそれでいいのである。

このコンサートも、普通とちょっと違い、まず長い。3部構成で、3時間近くかかっている。しかも司会者がつく。出てきたのは檀ふみ檀ふみは、出演者(小林美恵、萩原麻未橋本杏奈チョン・ミョンフン)に簡単なインタビューをしていた。コンサートに司会者とか、いらないのだが、檀ふみはそのへんはわかっているのでなるべく短く切り上げてくれていて、まだマシ。

小林美恵は、ふつうにうまい。しかし非常にうまいというほどではない。萩原麻未は無難。でも出来は一昨日のモーツァルトのピアノ協奏曲の方がよかったが。

ぜんぜん知らない人だったが、非常によかったのがクラリネット橋本杏奈。この人は日本生まれだがイギリス育ちで、現在もイギリスで演奏活動をしている人。非常にうまいし、味のあるよい演奏をする人。チョン・ミョンフンとアジア・フィルとも完璧に合っていて、いい演奏だった。

ブラームス交響曲第4番は、輪をかけてよい演奏。第1楽章と第3楽章が特に切れている感じで、よかった。その分第4楽章はちょっと肩透かしのような気もしたが、全体として見ればやはり水準以上の出来。さすがはチョン・ミョンフン

アジア・フィルというのはチョン・ミョンフンが自分で楽員を集めて作った楽団で、メンバーのリストがプログラムについていたので見てみたら、ソウル・フィルと東フィルを中心にいろんなところから集めている。コンマス樫本大進アメリカやヨーロッパの楽団員もいるので、どこがアジア・フィルなのかと思ったら、メンバーは全員東洋人。主に韓国人と日本人で、中国人その他はあまりいなかったようだが、チョン・ミョンフンが苦労して集めたのだろう。

けっこう豪華なメンバーなのに、1階後方はわりと空席があった。自分は一番安いB席(7000円)で聞いたので特に文句はないが、このメンバーでも満席にはならないのか…。それでもこのメンバーを集めてこられたのは、「平和商売」のおかげ。スポンサーには大企業がいっぱいついているのだ。ありがたやありがたや。